おいしい食と空間の関係
年末に食関係の仕事をするおいしいもの大好き美食家の友人とランチに行ってきました。
↓お通し「スポンジとムースとカリカリとゆずのジュレ」(という複雑すぎて一度では覚えきれないメニューは、こんな表現でしか覚えられません♪)
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「シェフがミシュランの星への登竜門とも言われる賞をとったから行くなら今のうち」
とか
「今、料理人たちの中で話題のお店はここ」
だとか、食いしん坊の私の周りにいる友人達はもちろん食いしん坊ぞろい。
話題のお店はカウンター式。
なのですが…。
入ったとたん、あまりの狭さに驚くカウンター式。
奥へと細長い店舗の手前には長〜いカウンターテーブルが置かれ、その奥半分はオープンキッチンになっています。
「カウンターだと狭すぎて写真が撮りにくいからこっちの方がいいよね」
と親切にしてくれて、カウンター以外に壁際に2つだけある小さなテーブル2人席に座れたので写真を撮れましたが、これ、カウンターだったら本当に無理だったかも。
雰囲気はすご〜くかわいいけれど、お料理の話の前に狭さが際立つお店でした。
我らはランチの「シェフのおまかせコース」65ユーロを注文。
(ちなみに99ユーロコースもあり ビストロのランチとしてはけっこう強気な値段設定)
↑カニとグレープフルーツのお料理
一緒に行った友人は、ワインのスペシャリストなのですが、「う〜んワインがかなり高い。」と漏らしていたので、お料理に合わせてグラスで注文することに。
↑たまご(温泉卵風)とクレソンのお料理
素材の味が生かされていて、オシャレに盛りつけられてすご〜くおいしいのだけど、とにかくお店が狭くて働いている人もとっても大変そう…という話にすぐになってしまう私たち(笑)。
1枚長いテーブルがある雰囲気はとっても素敵なのだけど、とにかくお隣の人との距離がギューギュー。
わりと恰幅のいいムッシューたちなんてお隣さんと肘はぶつかり合うし、スツール席からお尻ははみ出しているし。
↑カボチャのスープ 生ハムのムース仕立て
カウンターの後ろは人が座ってしまった後は横向きに通らないと歩きにくいくらいのすき間しかなく、サービスする人も本当に大変そう。
お皿をさげて、新しい料理を持って来てと今にもお皿ごとひっくり返してしまうんじゃないかしらと常に気が気でない雰囲気。
↑丸ごとニンジン ムースとピュレつき
一瞬、「大好物のカラスミ、1本来ちゃった?!うれしいけどカラスミって1人1本食べれるか?!」と驚いたプレートは甘みたっぷりのニンジンでした。
これは見たことのないプレートだしすご〜くおいしくて印象的。
カラスミでもうれしかったんだけど。。。(笑)
↑ホタテとブロッコリー ちょっとカレー風味
お隣との距離が近くて(というかくっついていて)、ぶつかり合いながら、みんなが大きな声でおしゃべりしてというビストロカフェ的お店はもちろんたくさんあってとてもフランス的。
フランスらしい雰囲気を楽しめる、素敵なお店の魅力のひとつでもあるのだけど、そういうおみせはぼ〜んと一皿にすごいボリュームのものがのってくるようなイメージ。
↑白身魚のソテー
ここは出て来るものたちはすごく繊細でオシャレで(シェフも一流レストランで働いて来たすごい人なのです)シェフのアイディアにあふれているのだけど、狭さを含めたお店の雰囲気とこの繊細さがあっていないのかもしれないなあ…というのがちょっと残念でした。
出て来るお料理が、ちょっと高級感あふれる優雅な気分でゆ〜っくり長い時間をかけて食べたいようなものばかりなのに、お店はパリっ子が集まる下町風ビストロが似合いそうな空間。
↑ピジョン(ハトのお肉)ベトラーブソース
私が今まで避けて来たフランス料理。
「ピジョンくん」(ハト)
ハトとウサギだけはどんなにおいしいのが分かっていてもなんとなく避けてしまっていたのですが、シェフのおまかせコースで「食べれないものありません♪」と言ってみたらなんとメイン肉料理は「ピジョン」。
これはもう運命なのだ!
と覚悟を決めて食べる。
う〜ん。この血のしたたるような肉の味。
フランス人が好きなのも納得。
私は最後の最後まで「私ってハトを食べているんだ。。。」という恐怖心が抜けず心からおいしさを堪能できたかというと苦笑いですが、新しい経験ができてよかったです。
でもやっぱり自分では頼めないメニューだ。。。
でも初体験をこういうおいしいお店でできたのはよかったのだと言い聞かせる(笑)。
↑熟成コンテチーズの薄切り
で、またまたお話戻りますが、トイレも「飛行機のエコノミークラスよりも小さい」という友人のコメントで、レストランというのは、内容も雰囲気も全てのトータルが大切なんだねえという話で終始盛り上がりました。
星をとると言われているとはいえ、すでに星つきレストランに匹敵する「おまかせコース」のお値段。
高かったら料理がおいしいのは当たり前。
となるとやっぱり雰囲気とかサービスとかお料理以外の付加価値が加わるからこそのお値段高めレストランや星つきレストラン。
↑かぼちゃのスイーツとそばアイス
さてさて、ミシュランの星への審査には、味はもちろんトイレの広さから設備から色々な基準があるというのは有名な話ですが。
今年のミシュランでは一体どうなるのかな!?
興味津々な私たちです。
ちなみに。
オープンメンバーでもあるこのお店で働いていた知人、やっぱりお店が狭くてあまりにも働きにくいので辞めてしまうそう。
たしかに。
この11皿ものランチコースを出しては下げてもらうのだって、本当に大変そうだったもの…。
働く側にもとっても重要な、食と空間のバランスなんだなあ〜。
↑チョコづくしプレート
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食べたらお味も芸術的でしたか?
オサレな盛り付けですね。私のフランス料理のイメージはこんなです。ランチ65ユーロは結構なお値段ですが、11皿だったら納得~。空間は広い方がゆったりできそうですね。・・・・でもちょっと行ってみたい。
食事ってお味もそうだけど、実はそのときの雰囲気とかが最後の決め手スパイスだよね。高いお金を払うと、余計にケチつけたくなっちゃったりして、笑。
そんなこんなで最近めっきり外食が減りました。日本は高いお店が増えたし、安いお店は時間制限があったりする。あの時間制限ってなんなんでしょう。私のもっとも不快なレストランポイント、笑。
人の心を満たすことのバランスって何においても大切だね~☆